積載車・セルフローダー・キャリアカーの違い|名前で頼んで通じる?
「仕入れた車両を運びたいが、積載車・セルフローダー・キャリアカーのどれを手配すればよいのだろうか」
「業者によって呼び名が異なっているが、車両の名前を指定して依頼すれば通じるのか」
車両の陸送を手配する際、どの車両を指定して見積もりを依頼すべきか迷っている担当者の方もいるのではないでしょうか。
積載車・セルフローダー・キャリアカーはいずれも車両を荷台に載せて運ぶトラックの呼び名であり、法令上の明確な定義はありません。
架装メーカー(トラックに荷台や装置を取り付けるメーカー)の間でも同じ構造の車両に異なる製品名を付けているため、依頼時に車両名を指定する必要はなく、運ぶ車両の種類や寸法、台数、状態を伝えて適した型を選んでもらうのが確実です。
本記事では、3つの呼び名の違いやメーカーによる呼称の重なり、運ぶ車両別の使い分け、見積もり時に搬送業者へ伝えるべき情報について解説します。
自社の車両に適した運び方の見当をつけ、必要な情報をそろえて搬送業者へスムーズに見積もりを依頼したい方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事の内容は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。
積載車の名前が決まっていなくても、車種と状態・発着地をお伝えいただければ運び方をご案内します
積載車・セルフローダー・キャリアカーの違い
積載車・セルフローダー・キャリアカーは、いずれも車両を荷台に載せて運ぶトラックの呼び名です。
これらの名称は、道路運送車両法などの法令で定義されているわけではありません。
各架装メーカーの製品資料を比較すると、荷台の構造や積載台数、主に対象とする積載物に違いが見られます。
| 呼び名 | 荷台の動かし方 | 一度に積める台数 | 主な積載物 |
|---|---|---|---|
| 積載車 | 荷台がスライドして傾く型がある | 1台積み~4台積み | 乗用車のほか、ミニ建機やミニ農機などの自走式機械 |
| セルフローダー | 荷台を後方にスライドさせながら傾ける型のほか、車体の前を持ち上げて傾ける型もある | 1台 | 乗用車や産業車両 |
| キャリアカー | 荷台を油圧で昇降させ、上段と下段に分けて積む車両がある | 1~2台積みから5台積みまで | 乗用車などの自動車 |
自走できない車両については、ワイヤーで車両を引き上げるウインチを使って積載する型が用意されています。
ただし、同じ仕組みの車両であってもメーカーによって呼び名が重なる場合があるため、上記の分類はあくまで目安にとどまります。
そのため本記事では、セルフローダーやキャリアカーを含め、車両を荷台に載せて運ぶトラック全般をまとめて「積載車」と表記します。
搬送業者からこれらの呼び名を提示された際は、名称だけで判断せず、荷台の動かし方や積載可能な台数、運べる車両の種類を確認してください。
名前で頼んで通じる?メーカーごとに違う呼び名
車両の呼び名だけで頼むと、自社と搬送業者とで思い浮かべる車両が食い違うおそれがあります。
同じ仕組みの車両でも、製造する架装メーカーによって呼び名が違うためです。
ここでは「一般社団法人 日本自動車車体工業会」の正会員であるメーカーの製品ページから、呼び名が重なる2つの組み合わせを取り上げます。
スーパーセルフローダ・セフテーローダ・セルフローダー
荷台を後ろへスライドさせて傾ける同じ仕組みの車両に、メーカーによって「スーパーセルフローダ」と「セフテーローダ」の別々の製品名が付いています。
具体的には、以下の例が挙げられます。
- タダノ:荷台を後方にスライドさせながら傾ける車両運搬車を「スーパーセルフローダ」と名付けている
- 花見台自動車:荷台がスライドして傾斜をつくる車両を「セフテーローダ」シリーズとして製造している
また、同じ「セルフローダー」という名称であっても、荷台の仕組みそのものが異なる車両も存在します。
たとえば新明工業では、車体の前を持ち上げて傾ける重機運搬車を「セルフローダータイプ」と呼んでいます。
一方、荷台の違いを製品名ではなく、仕様名で区分しているケースも少なくありません。
古河ユニックの場合、製品名を「ユニックキャリア」とし、「車載専用型(フラット)」や「一般型(ジャッキアップ)」といった仕様名で荷台の構造を区別しています。
搬送業者に依頼する際は、型や荷台傾斜角度(荷台を傾けたときの地面との角度)を聞き、運ぶ車両が載る構造かを直接確認してください。
積載車とキャリアカー
積載車とキャリアカーは、同じ車両を指して使われることがあり、積載台数で明確に呼び分けられているとは限りません。
各社の表記例は以下のとおりです。
- タダノ:荷台をスライドさせて傾ける車両運搬車を「キャリヤカー」とも表記している
- 新明工業:2台積みの車両を「2台積み積載車」と呼び、同じ車両を「小型のキャリアカー」とも説明している。また、2台積みキャリアカー「N-SELECT」のシリーズには、1台積み専用のモデルもある
- 細谷車体工業:1~2台積みから5台積みまでの車両運搬車を「キャリアカー」と呼んでいる
そのため、「キャリアカーは複数台」「積載車は1台」と名称から台数を判断せず、運ぶ台数を搬送業者へ直接伝えましょう。
運ぶ車両別に判断する積載車の使い分け方
合う積載車の型や運び方は、運ぶ車両の種類だけでなく、大きさや重さ、台数、車高によっても異なります。
ここでは、乗用車、建設機械やフォークリフト、トラックの順に、適した型や運び方、搬送業者に伝えておきたい点を整理します。
乗用車を運ぶとき
乗用車には、メーカーが乗用車の運搬を想定して製造している「車載専用」の型が存在します。
たとえば花見台自動車では、車載専用のセフテーローダを展開しており、大半の乗用車に対応可能です。
複数台をまとめて運ぶ場合は、2台以上を積載できる大型の型を使用します。
細谷車体工業の5台積みモデルは、キャブ(運転席)の上を含む上段と下段に分けて積む構造です。
また、新明工業が製造する4台積み積載車の場合、最大積載量は約8,600kgに達します。
一方、車高の低い車両を運ぶ際は、積み下ろし時の角度が緩やかな型を選ぶと、フロントスポイラーやマフラーなどの擦り傷や破損を防ぐことが可能です。
荷台傾斜角度は型によって異なり、古河ユニックの車載専用型「フラット」は約0.8~10.6°、一般型「産業機械用」は約12.9~15.1°と差が見られます。
新明工業でも、積み降ろしの角度を緩やかに設計した型をスポーツタイプ車やローダウン車の積載向けとして展開しています。
細谷車体工業の製品は、5台積み車両のように、道板(乗り込み用の板)を昇降させて角度を緩め、下回りの損傷を防ぐオプションを用意している点が特徴です。
運ぶ乗用車の台数や、エアロパーツなどで車高を下げているかどうかは、事前に搬送業者へ共有しておきましょう。
建設機械やフォークリフトを運ぶとき
建設機械やフォークリフトを運ぶ場合は、機械の大きさと重さによって適する積載車の型が変わります。
例を挙げると、花見台自動車では、運ぶ機械の特性に合わせて以下のように型を区分しています。
- ミニ建機やミニ農機などの自走式機械:通常の平ボディと同様の形状を持つ一般積載車
- 一般的な農機・建機・重機:中型や大型クラスのトラックに架装し、集中荷重に耐えられる運搬仕様の型
- 車高の高い重機やフォークリフト:荷台後部のみが傾斜し、床面を低く抑えた型
また、重機を運ぶ型の中には、自走不能な機械を引き上げるためのウインチを備えた車両も存在します。
古河ユニックの重機運搬用モデル「ハイキャリア」では、ウインチの能力として10t引きに対応した型が設定されています。
なお、車両に機械を積載した状態の寸法や総重量が道路法の制限を超える場合は、運送側で特殊車両通行許可を取得しなければなりません。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
現場での積み残しや法令違反を防ぐためにも、運ぶ機械の具体的な種類や寸法、重量を事前に搬送業者へ正確に伝え、適合する型を選んでもらいましょう。
トラックを運ぶとき
24ROADが手配するトラックの搬送は大型トラックが中心であり、基本的には車両を引っかけて運ぶ方法を採用します。
具体的には、前輪側を吊り上げ、後輪を地面に接地させた状態で牽引して運ぶケースが一般的です。
一方、小型トラックを積載車の荷台に直接載せて運べるかどうかは、トラックの車両重量と全長で判断します。
車両重量が積載車の最大積載量以下であり、かつ荷台の長さに車体が収まるかどうかが選定の目安となるためです。
この最大積載量や荷台の寸法は、積載車の型によって異なります。
花見台自動車の乗用車向けモデル「セフテーローダⅡ」(車両総重量5t以下)の最大積載量は1,950kgであるのに対し、新明工業の1台積載車は約3,000kgまで対応可能です。
荷台の長さに関しても、新明工業の1台積載車では約5,260mmが確保されています。
小型トラックを運ぶ際は、車検証に記載されている車両重量と長さをあらかじめ控えておき、荷台に積載可能かを搬送業者へ確認してください。
なお、トラックを遠方へ運ぶ際の流れや搬送業者を選ぶ基準については、以下の記事で詳しく解説しています。
大型・増トン・バスも、自走できるかを判定して牽引と積載を組み合わせた運び方をご提案します
積載車の名前の代わりに搬送業者へ伝える情報
搬送業者に依頼する際は、積載車の呼び名を指定するのではなく、運ぶ車両の情報を正確に伝えて最適な積載車や運び方を選んでもらいましょう。
事前に手元で確認しておく情報と、業者が判断する内容は以下のとおりです。
| 伝える情報 | 確かめるもの | 搬送業者が判断すること |
|---|---|---|
| 運ぶ車両の種類と台数 | 手元の車両一覧 | 1台積みか、複数台積みか |
| 長さ・幅・高さ | 車検証の「長さ/幅/高さ」 | 荷台に収まるか |
| 車両重量 | 車検証の「車両重量」 | 積載車の最大積載量以下か |
| 自走の可否 | エンジン・ブレーキ・車輪の状態 | ウインチで引き上げるか |
| 車高調整の有無 | エアロパーツ・ローダウンの有無 | 荷台の傾斜角度が緩やかな型が必要か |
| 車格や車両状態、発着地、希望日 | 自社の予定 | 搬送距離と運行日程 |
自走できない車両については、足回りやエンジンの状態に合わせて牽引か積載かを判断します。
自走不能な大型車両を運ぶ際の具体的な判断基準については、以下の記事をご覧ください。
また、車検が切れている車両であっても、積載車の荷台に載せて運ぶ場合は仮ナンバーを取得する必要はありません。
ただし、前輪を吊り上げて運ぶ場合も含め、車検切れの旨は事前に搬送業者へ伝え、運行方法に応じた仮ナンバーの要否を確かめておくと安全です。
仮ナンバーが必要となる条件や手続きの詳細は、以下の記事で解説しています。
なお、車両の写真や支払い方法など、依頼時にそろえておくべき情報の全体像を確認したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ:積載車での搬送は呼び名より運ぶ車両の情報を伝えて依頼しよう
積載車・セルフローダー・キャリアカーは名称だけでは明確に区別できないため、特定の呼び名にこだわる必要はありません。
その代わり、運ぶ車両の寸法や重量、台数、自走可否といった正確な情報を手元に控え、適切な積載車や運び方を搬送業者に選定してもらいましょう。
運ぶ車両の情報が整理できたら、搬送業者へ見積もりを依頼して具体的な手配を進めてください。
24ROADでは、手配したい積載車の名前が決まっていない段階であっても、車格や車両状態、発着地、希望期日、自走できるかどうかの共有により、適切な運び方と対応の可否を無料で確認できます。
ご希望の方は、下のボタンからお気軽にご相談ください。
全国対応・法人/個人OK・お見積もり無料
積載車の名前が決まっていなくても、
そのままご相談ください
24ROADは、全国の提携ネットワークを通じて車両の搬送手配から運行管理まで一括で対応しています。車格や車両の状態、発着地、希望期日、自走できるかをお伝えいただければ、写真をもとに運び方と対応の可否を確かめたうえで無料でお見積もりします。大型・増トン・セミトレーラー・バスも、牽引と積載を組み合わせて運び方をご提案します。
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