トラックのフェリー輸送|方法・費用・航路と所要時間などを解説
「トラックをフェリーで遠方まで運びたいけど、自社で手配できる?」
「車検切れや不動車でも、港まで運んでフェリーに乗せられるのか不安」
フェリー輸送は船に載せるだけではなく、港までの搬送や到着後の引き取り体制によって必要な手配が変わります。
そのため、まずは輸送形態を選び、自社で手配するか代行を依頼するかを決めるのが基本です。
本記事では、トラックをフェリー輸送する流れや費用、自社手配と代行を見極める判断軸などを解説します。
自社で対応できる範囲とプロに任せるべき範囲が明確になり、無駄な手配や現場のトラブルを防げるようになります。
もし自社だけで判断しにくい場合は、下のボタンのお問い合わせフォームから車両の状態をお知らせください。
トラックのフェリー輸送を決める2つのステップ
トラックのフェリー輸送は、大きく「輸送形態(有人・無人)」と「手配主体(自社・代行)」の組み合わせで決まります。
自社のリソースや車両の状態に照らし合わせ、最適なパターンを選択してください。
ステップ1.輸送形態を選ぶ
輸送形態には、ドライバーも乗船する「有人航送」と、港で車両のみを預ける「無人航送」の2種類があります。
自走可能な車両であっても、全行程を同一のドライバーが担当するか、港で役割を分けるかによって選び方が異なります。
| 輸送形態 | 概要 | 主なメリット | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 有人航送 | ドライバーが車両と共に入換・乗船する形態 | 乗船時間を休息に充てつつ、到着後すぐに運行を再開できる | 旅客運賃や人件費が発生し、乗船中はドライバーが他業務に携われない |
| 無人航送 | 港で車両を預け、海上区間のみを船で運ぶ形態 | 陸送距離を最小限に抑えられ、ドライバーの拘束時間を大幅に短縮できる | 港前後での車両移動や、港内での積卸委託料、代行手配が必要になる |
出典:日本通運「無人航送」、太平洋フェリー「よくあるご質問(貨物車両のご乗船)」
運行ルートやドライバーの拘束時間を考慮して、どちらの形態が自社に合っているか検討してください。
次に、これらの輸送実務の担当者を決めましょう。
ステップ2.手配方法を選ぶ
輸送形態の検討と並行して、予約や調整の実務を誰が担うかを判断します。
自社でリソースを割くのか、外部の専門業者を活用するのかによって、手配のスピードや確実性が変わるためです。
| 手配方法 | 概要 | メリット | 推奨されるケース |
|---|---|---|---|
| 自社手配 | 予約や港での調整をすべて自社で完結させる方法 | 手数料などのコストを最小限に抑えられ、社内で情報を一元管理できる | 港周辺に自社拠点があり、人員を割ける場合 |
| 搬送代行 | 予約から港前後の陸送までを専門業者に一任する方法 | 窓口が一本化されるため手配の手間を省け、トラブル時の対応も任せられる | 手配の工数を削減したい場合や、自走できない車両を運びたい場合 |
自社の管理体制やコスト、輸送の緊急度を考慮し、現実的な手配方法を選択しましょう。
手配ミスや連絡漏れによる遅延を防ぐためにも、自社で対応できる範囲を正しく把握する必要があります。
フェリー輸送を含めた具体的な対応範囲や、24ROADの車両搬送サービスについては、以下のリンクを参考にしてください。
トラックのフェリー輸送費を決める6つの要素
フェリー輸送のコストは、車両の条件や航路、時期など複数の要因が組み合わさって決まります。
正確な予算を算出するためには、以下6つの要素を確認してください。
要素1.車格・全長・重量
トラックの運賃は車検証の区分だけでなく、実際の全長によって決まるのが一般的です。
たとえば、6m未満・7m未満といった1m刻みで料金帯が設定されています。
フェリー輸送を検討する際は、自社のトラックがどの料金帯に該当するか、車検証と実測値をもとに確認してください。
総重量や高さが特殊な車両は割増料金がかかることもあるため、正確な寸法を把握しましょう。
要素2.航路(区間)と所要時間
航路の距離が長くなるほど、フェリーの基本運賃は上がります。
また、海上区間の距離だけでなく、出発地から港までや港から納品先までの「陸送区間」がどれだけ長くなるかで総額が変わります。
港から遠いほど、自社ドライバーの拘束時間や陸送代行の費用が増加するためです。
したがって、費用を抑えるには総額を見て採算が合うか判断する必要があります。
具体的な長距離航路と所要時間の目安は、後ほど整理します。
要素3.有人航送か無人航送か
「トラックのフェリー輸送を決める2つのステップ」で触れたとおり、有人と無人では発生する費用項目が異なります。
無人航送はフェリー運賃単体は安く抑えられますが、別途「積卸委託料」や「代行業者への依頼費」が加算されるためです。
見積もりを比較する際は、海上運賃だけでなく、港前後で発生する諸費用を含めた総額で判断してください。
コストパフォーマンス面でどちらが優れているかは、陸送人員の手配状況によっても変わります。
要素4.陸送区間と車両搬送代行の手配費用
フェリーの運賃以外にも、港までの移動や到着後の目的地までの「陸送費用」が発生します。
自社ドライバーが対応するのであれば、人件費だけでなく、目的地で車両を渡した後の「復路の交通費」も考慮しなければなりません。
代行業者へ依頼する場合は、レッカー牽引や積載車の使用料に加えて、作業員の人件費が加算されます。
海上区間の安さだけでなく、港前後の付随費用を含めた総額をもとに、採算が合うかどうかを検討してください。
要素5.燃料油価格変動調整金(BAF)
燃料油価格変動調整金(BAF)は、燃料価格の変動を運賃へ反映させるためのものです。
トラックを輸送する際は、このBAFが基本運賃とは別建てで請求されるケースがあります。
支払い総額が変わる可能性があるため、搬送依頼前に加算の有無を確認しましょう。
見積もり時には、船社の公式サイトで適用期間や対象車種、車長区分を照合してください。
加算条件を正確に把握しておくことで、予算の超過を未然に防げます。
要素6.季節
季節によって変動するのは、トラックの運賃そのものだけではありません。
自動車航送運賃が通年同一であっても、有人航送で客室等級を変える場合は差額が生じます。
繁忙期は希望便の枠が埋まりやすいため、日程変更に伴う追加費用にも注意が必要です。
希望日に合わせて確実に輸送するには、運賃表の確認と同時に空き枠の確保を行いましょう。
早期に手配を確定させることで、余計なコスト増や工程の遅れを回避できます。
トラックの長距離輸送で使われる航路と所要時間の目安
トラックのフェリー輸送で活用される主要な長距離航路と、所要時間の目安をまとめました。
自社の輸送ルートを検討する際の判断材料としてください。
北海道~本州を結ぶ航路の例
北海道から本州へ輸送する場合は、東北・中部・北陸地方の各港を経由するルートが中心となります。
| 船社 | 航路 | 所要時間の目安 |
| 商船三井さんふらわあ | 大洗~苫小牧 | 約17時間45分~19時間15分。深夜便は約18時間 |
| 太平洋フェリー | 苫小牧~仙台 | 約15時間~15時間20分 |
| 仙台~名古屋 | 約21時間40分 | |
| 苫小牧~名古屋 | 約39時間30分~40時間 | |
| 新日本海フェリー | 舞鶴~小樽 | 約20時間55分~21時間45分 |
| 敦賀~苫小牧東 | 直行便は約20時間半~21時間 | |
| 敦賀~苫小牧東 | 寄港便(新潟・秋田経由)は約31時間15分~34時間 | |
| 新潟~小樽 | 約16時間半 |
出典:商船三井さんふらわあ「大洗~苫小牧運航ダイヤ」、太平洋フェリー「ご乗船の方に/運航ダイヤ」、新日本海フェリー「時刻表」「寄港便」
新日本海フェリーのように、同じ区間でも直行便・寄港便の違いによって所要時間が大幅に変わるケースがある点には注意が必要です。
本州~九州を結ぶ航路の例
九州と本州を結ぶ航路は、関東・近畿地方の港から出航するルートが基本です。
| 船社 | 航路 | 所要時間の目安 |
| 東京九州フェリー | 横須賀~新門司 | 約20時間50分~21時間15分。月~土運航、日曜・祝日運休 |
| 名門大洋フェリー | 大阪南港~新門司 | 約12時間30分~12時間40分 |
| 阪九フェリー | 泉大津~新門司 | 約12時間30分 |
| 神戸~新門司 | 約12時間30分 | |
| 商船三井さんふらわあ | 大阪~別府 | 約11時間50分~12時間5分 |
| 神戸~大分 | 約11時間20分~12時間25分 | |
| 大阪~志布志 | 約13時間45分~15時間55分 |
出典:東京九州フェリー「運航ダイヤ」、名門大洋フェリー「航路・ダイヤ」、阪九フェリー「泉大津航路」「神戸航路」、商船三井さんふらわあ「大阪~別府」「神戸~大分」「大阪~志布志」
輸送ルート選びの際は、船社の運休日も確認してください。
トラックのフェリー輸送は自社手配と代行どちらが良い?4つの判断軸を解説
自社手配が可能かどうかは、車両の状態や社内のリソースによって決まります。
搬送業者に任せるべき範囲を見極めるために、以下の4つの判断軸を確認してください。
判断軸1.車両は自走できるか
フェリー輸送は、原則として車両が自走できることが前提です。
車検切れや未登録の車両を自走させることは、法律で禁じられています。
また、単なる搬送目的で仮ナンバー(臨時運行許可)を取得することもできません。
仮ナンバーは車検場への移動など、目的が限定されているためです。
したがって、自走できない車両を港まで運ぶには、積載車やレッカー車が必要になります。
自社で機材を手配するのが難しい場合は、搬送代行業者への相談を検討してください。
出典:国土交通省「自動車検査登録総合ポータルサイト『新規登録』」、関東運輸局「管内市区町村における臨時運行許可事務取扱いの調査について」
判断軸2.手配・調整のリソースは足りているか
船社予約と港前後の調整に自社で対応できるかどうかも確認してください。
出発港への持ち込みや到着港での引き取り、欠航時の代替案まで組めるのであれば、自社手配で進めやすくなります。
一方、複数の窓口調整を社内で抱えるのが難しい場合は、車両搬送代行へ相談するほうが賢明です。
また、この判断にはドライバーの労務管理も大きく関わります。
トラック運転者には年960時間の時間外労働上限が適用されているためです。
さらに「改善基準告示」では、拘束時間が1年3,300時間、1ヶ月284時間、1日13時間と原則定められています。
長距離の片道納車などを自社だけで組むと、社内の配車負担が大きくなりやすい傾向にあります。
有人航送の乗船時間を休息に充てたり、代行業者を組み合わせたりして負担を抑えましょう。
出典:厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」
判断軸3.納期に余裕はあるか
納期に余裕がある案件ほど、フェリー併用や無人航送を組み込みやすくなります。
ただし、希望便の空き枠や船社の乗船条件、積卸委託料などを確認しないと、想定より工程が延びる場合があります。
納期がタイトな場合は、希望便に乗れなかったときの代替航路や陸送への切り替えまで決めておいてください。
自社で複数案を持つ余裕がなければ、早い段階で搬送代行に相談すると代替案を取りやすくなります。
判断軸4.車格・寸法・重量が船社の乗船条件に収まるか
車両のサイズや重量がフェリーの乗船条件を超えていると、乗船を断られるケースがあります。
高さが3.8mを超える車両や極端に車高が低い車両は、船内へのスロープで引っかかるため注意が必要です。
また、海上での揺れを防ぐ「ラッシングリング(固定用フック)」が車両に備わっているかも確認しましょう。
ラッシングリングがない車両や寸法が特殊な車両は、フェリー単体の自社手配では断られる可能性があります。
そのため、陸上搬送を含めた代行業者への相談を検討してください。
なお、トラック搬送の発注前に整理したい流れと注意点は、以下の記事で確認できます。
引用元:車検切れ・未登録の大型車両を長距離搬送するには?法人担当者が知っておきたい流れと注意点
24ROADにトラックのフェリー輸送案件を依頼する場合はどうなる?
24ROADも、トラックのフェリー輸送案件を承っています。
ここでは対応内容と、お問い合わせから配車・残金精算までの流れを解説します。
24ROADの対応内容
24ROADでは、故障・事故・未登録・車検切れなどで自走が難しいトラックについて、発着地と車両状態に合わせた搬送方法を提案します。
フェリー併用やリレー輸送を使う場合も、港までの移動、海上区間、到着後の引き取りを分けて工程を組みます。
車高、全長、重量が船社条件に収まるか、法令やフェリー規約に適合しているかどうかも24ROAD側で確認可能です。
運行時は、運送賠償・請負賠償・貨物/車両保険などを適用しており、安心して利用しやすい体制を整えています。
問い合わせから配車・残金精算までの流れ
24ROADに相談する場合の流れは次のとおりです。
必要情報をあらかじめ整理しておくと、配車判断や見積もりの回答を早められます。
- フォーム、電話、公式LINEから問い合わせる
- 車種・車格、車検や登録状態、自走可否、発着地、希望日程を伝える
- 車両状態に合う機材、経路、船社枠の提案と概算見積もりを受ける
- 内容を確認し、承諾後に前受金(目安30~50%)を入金する
- 60分を目安に、配車確定の連絡を受ける
- 運行中の進捗共有を確認する
- 到着報告を受け取り、請求・残金精算を確認する
現地画像や荷台の積載状況、搬送先の受け入れ可能日時などもあると、より精度の高い見積もりが可能です。
これらは必須ではないため、わかる範囲で共有してください。
フェリーと全区間陸送のどちらが適しているか判断に迷う段階でも、ご相談が可能です。
発着地と車両状態をもとに、港前後の陸送を含めた最適な輸送手段を提案します。
トラックのフェリー輸送に関するよくある質問
トラックのフェリー輸送に関するよくある質問にお答えします。
Q.自走できないトラックでもフェリーに乗せられる?
A.事故や故障による不動車の場合、車両単体での乗船を断る船社も存在します。
港までレッカーで運ぶだけでは解決しないため、積載車に載せたまま乗船できるか事前確認が必要です。
状況によっては、フェリーを諦めて全区間を陸送へ切り替える判断も求められます。
Q.ナンバーがないトラックは積める?
A.船社によっては、自走可能であればナンバーがなくても乗船を認めるケースがあります。
ただし、前述の通り搬送目的での仮ナンバー取得はできないため、港までは自走できません。
積載車やレッカーでの搬送が必要になるため、フェリーの手配を含めて代行業者へ相談することをおすすめします。
Q.フェリーが欠航・遅延した場合はどうなる?
A.欠航や遅延が出た場合は、船社の振替可否、キャンセル料、港での待機扱いを確認することが大切です。
納期にも影響するため、別航路や陸送への切り替えを同時に検討しておく必要があります。
空き枠が少ない時期は、追加費用や納期遅延にも注意が必要です。
Q.フェリーの予約はいつから取れて、港には何分前に着けばいい?
A.乗船日の2ヵ月前から予約を受け付ける船社が多い傾向にあります。
ただし、大型トラックの乗船枠は乗用車よりも限られており、繁忙期は早期に埋まる可能性があります。
輸送計画が決まった段階で、早めに乗船枠を確保するのがおすすめです。
まとめ:トラックのフェリー輸送は車両状態と手配範囲で判断しよう
トラックのフェリー輸送は、自走可否やドライバーの負荷などを考慮して手配方法を選ぶ必要があります。
港前後の陸送手配や引き取り人員の確保に余裕がない場合は、搬送代行業者へ依頼するのが確実です。
24ROADでは、全国対応で大型車の搬送や回送を承っています。
自走不可の車両手配はもちろん、状況に応じてフェリーと陸送を組み合わせた最適な輸送手段を提案します。
事前の概算見積もりや配車に関するご相談は、以下のボタンよりお問い合わせください。