特車申請が間に合わないときの対処法|運行日までの確認と搬送判断
「特車申請が運行日までに間に合わず、このまま車両を動かしてよいか分からない」
「許可を待つべきか、搬送・回送へ切り替えるべきか判断できない」
特殊車両通行許可申請(以下、特車申請)が間に合わない場面では、急いで車両を動かす前に、許可・回答前に公道を自走できる状態かを見極める必要があります。
確認を怠ったまま通行すると、道路法上の制限に抵触し、罰則が科されるおそれがあるためです。
まずは、特殊車両通行確認制度や既存の許可証・回答書を使えるかを確認し、使えないのであれば特車申請を待つか、搬送・回送へ切り替えるかを判断します。
事故や故障で自走できない場合や、運行日を動かせない場合は、早めに搬送・回送の準備へ進むのが安全です。
本記事では、特車申請が間に合わないときの対処法、申請要否の見分け方、許可・回答書を待つかどうかの判断基準、搬送・回送業者へ伝える情報を解説します。
お読みいただくことで、今後の行動指針が明確になり、運行予定日までに車両を動かせない不安が解消されます。
自社だけで判断するのが難しい場合は、下のボタンからお問い合わせフォームへ進み、車両情報や運行予定日などをお知らせください。
特車申請が運行日までに間に合わないときの4つの対処法
特車申請が運行日までに間に合わない場合、担当者がまず確認するのは、自社の車両が許可前・確認前に公道を自走できる状態かどうかです。
ここでは、運行日までに取れる初動を4つに分けて整理します。
なお、車両が事故や故障で物理的に走行できない場合、お急ぎであれば「対処法4」の搬送・回送へ切り替えましょう。
対処法1.特殊車両通行確認制度を使えるか確認する
あらかじめ車両登録が済んでおり、今回の車両・経路・条件が制度に合う場合は、担当者が特殊車両通行確認制度(以下、確認制度)を使えるか確認します。
名称が特車申請と似ていますが別制度です。
通行可能な経路がある場合は、確認制度で回答書(道路管理者などが通行可能経路を回答した内容を示す書類)が交付されます。
ただし、限度超過車両(寸法、重量などが一定の限度を超える車両)の登録が済んでいない場合は、すぐに回答書を使えません。
今回の運行に使えるかは、有効期限と携行・提示する書類をあわせて判断してください。
また、提示する書類は発行時期によって以下のように異なるため、注意が必要です。
- 2023年3月20日以降:回答書の鑑、車両一覧、車両諸元に関する説明書
- 2023年3月19日以前:回答書の鑑、通行経路条件一覧、通行可能経路マップ、車両一覧
新旧どちらの形式でも、回答書だけで判断せず、今回の車両と経路に合う一式がそろっているかを確認しましょう。
出典:HIDO(一般財団法人 道路新産業開発機構)「特車登録センター」
国土交通省「限度超過車両の新たな通行確認制度の運用が始まります!~4月1日から、「特殊車両通行確認制度」が運用開始~」
e-Gov法令検索「道路法|第47条の10第1項」「道路法|第47条の10第3項」「道路法|第47条の10第6項」
対処法2.日程を調整して許可・確認後に動かす
運行日をずらせる場合、許可証または回答書がそろってから車両を動かします。
車両や経路、条件、期間が今回の運行内容と一致していることを確認する必要があるためです。
荷主や元請へ予定変更の旨を説明する場合は、特車申請の状況と標準処理期間を伝えましょう。
なお、許可・回答前に公道を通行させると、無許可通行、許可条件違反、未確認通行、回答書不携帯等として、100万円以下の罰金などの罰則が科せられます。
そのため、安易な走行は厳禁です。
出典:e-Gov法令検索「道路法|第104条第1号」「道路法|第104条第2号」「道路法|第104条第3号」
対処法3.申請条件を見直せるか確認する
特車申請の許可を待つか判断する前に、出発地、到着地、経路、車両諸元(寸法や重量など、審査に使う車両情報)、積載状態、通行日を確認してください。
申請時の条件から現在の運行予定に変更がある場合、申請内容を見直せる可能性があります。
注意点として、申請受理後に経路や車両諸元などを変えると、標準処理期間(特車申請の許可・回答までにかかる日数の目安)の適用外となります。
申請内容を変更する場合は、窓口に変更後の処理期間を確認してから、待つか搬送へ切り替えるかを判断しましょう。
出典:名古屋国道事務所「特殊車両通行申請から許可までの標準処理期間」
対処法4.自走を避けて搬送・回送へ切り替える
特車申請の許可を待てず、急いで車両を動かす必要がある場合は、自走ではなく搬送・回送への切り替えを検討してください。
業者に相談する場合は、自走以外の手段で動かす必要があることを伝え、搬送・回送の可否を確認しましょう。
ただし、業者に搬送・回送を依頼しても、即日対応できるとは限りません。
搬送車両や積載・牽引の状態によっては、業者側でも制度確認が必要になり、その分の時間がかかるためです。
よって、搬送・回送への切り替えは早めに判断する必要があります。
出典:国土交通省「特殊車両通行制度について」
関東地方整備局「道路法に基づく車両制限」「特殊な車両とは」
24ROADは24時間365日対応しておりますので、お急ぎの場合は下のボタンからお問い合わせください。
特車申請は本当に必要?3つの確認項目
特車申請が運行日までに間に合わない場合でも、そもそも自社の車両が特車申請不要で、一般的制限値内(道路法令で定める基本的な寸法・重量の上限)で公道を自走できる可能性があります。
ここでは、特車申請が必要かどうか判断するための確認項目を3つ紹介します。
確認項目1.車両の寸法・重量が一般的制限値に収まっているか
まずは、車両の幅や長さ、高さ、総重量、軸重などが一般的制限値を超えていないかを確認します。
一般的制限値の範囲内に収まっている場合は、次に橋・高架道路・トンネルなどの総重量・高さ制限や、道路標識などによる別の制限がないかをチェックしてください。
ここまでで問題なければ、特車申請なしで公道を自走できます。
ただし車両制限令では、貨物を積んでいる場合は積載状態、他の車両を牽引している場合は牽引される車両も含めて「車両」とみなされます。
そのため、貨物車は積載状態で、トレーラーなどの連結車は連結した状態と積載貨物を含めた寸法・重量で確認してください。
出典:国土交通省「特殊車両通行制度について」
e-Gov法令検索「車両制限令|第2条第1項」「車両制限令|第3条第1項各号」
確認項目2.指定道路のみを通行する新規格車に該当するか
自社の車両が新規格車(総重量20t超~25t以下など、一定条件を満たす車両)に該当し、かつ通行するのが指定道路のみである場合、特車申請は不要です。
なお指定道路とは、「高速自動車国道」および「重さ指定道路」などを指します。
国土交通省の道路データビューアや地方整備局のガイドマップを活用すれば、運行予定の区間が指定道路に含まれるかを確認できます。
出典:関東地方整備局「特殊な車両とは」
確認項目3.積載物は分割可能か
運行予定の車両の積載物が分割可能な場合は、特車申請なしで公道を通行できる可能性があります。
そもそも特車申請は、原則として建設機械や大型発電機など「物理的に分割して運べない貨物」を対象としています。
したがって、分割できる積載物を運ぶケースであれば、特車申請自体が不要です。
ただし、積載物は一般的制限値に収まるように分割し、複数回に分けて運ぶ必要があります。
複数回に分ける場合は、運行回数の増加にあわせて、搬入時間や積み降ろし、車両手配、荷主・元請への説明の工数が増える点に注意しましょう。
特車申請の許可・回答書を待つか搬送・回送へ切り替えるかの判断基準3つ
許可証や回答書を待つべきか、搬送・回送へ切り替えるべきかは、運行日までの残り日数だけでは決められません。
ここでは、3つの判断基準を解説します。
判断基準1.確認制度や既存書類で今回の運行に使える見込みがあるか
確認制度や既存の許可証・回答書がある場合でも、今回の運行に使えるかどうかはまだ分からないため、改めて内容を確認する必要があります。
具体的には、車両や経路、条件、期間、積載状態、携行・提示する書類が今回の運行内容と一致しているかを確認してください。
条件が合う書類があれば、許可待ちや搬送・回送への切り替えではなく、書類をそろえたうえで運行予定を組み直せます。
一方、どれかが合わない場合は、既存書類があってもその条件では公道を通行しないでください。
罰則の対象となってしまいます。
出典:HIDO(一般財団法人 道路新産業開発機構)「特車登録センター」「車両の運行 FAQ」
e-Gov法令検索「道路法|第47条の2第6項」「道路法|第47条の10第7項」
判断基準2.標準処理期間と運行日までの残り日数が合うか
搬送・回送へ切り替えるか悩む場合は、今回の運行予定日までの残り日数を踏まえて、特車申請の許可・回答書が間に合いそうかを考えます。
その際は、以下の標準処理期間を参考にしてください。
- 新規・変更申請:3週間以内
- 更新申請:2週間以内
ただし、上記はあくまで目安であるため、申請日からちょうど2~3週間で許可が下りるとは限りません。
また、窓口申請では受理日、オンライン申請ではシステム到達日の翌日など、申請方法によって起算点が異なる点にも注意が必要です。
運行日に間に合うか少しでも不安な場合は、搬送・回送へ切り替えるのが確実です。
出典:名古屋国道事務所「特殊車両通行申請から許可までの標準処理期間」
三重河川国道事務所「特殊車両通行許可申請」
判断基準3.未収録道路・個別協議・申請後変更などの遅延要因があるか
申請経路に未収録道路(道路情報便覧に収録されていない道路)や個別協議が含まれる場合、許可までの日数は標準処理期間だけでは読めません。
ほかの道路管理者などの回答待ちが発生し、通常の審査日数にその分が加わるためです。
また、超寸法・超重量の車両や、申請受理後に経路や車両諸元などを変える場合は、標準処理期間の適用外となります。
未収録道路や個別協議がある場合は、申請窓口で見込み期間を確認しましょう。
同時に、運行日に間に合わない可能性を見込んで搬送・回送の手配も検討してください。
出典:HIDO(一般財団法人 道路新産業開発機構)「経路の確認の求め」、名古屋国道事務所「特殊車両通行申請から許可までの標準処理期間」
搬送・回送業者へ連絡する前に整理すべき7つの情報
業者への搬送・回送依頼を決めた場合は、以下の7項目を整理したうえで伝えましょう。
| 整理する情報 | 伝える内容 | 判断に必要な理由 |
|---|---|---|
| 車種・車格 | 大型トラック、セミトレーラー、建機など | 対応する積載車や搬送方法を選ぶため |
| 寸法・重量 | 全長、全幅、全高、総重量 | 搬送車両自体の法令確認や選定に関わるため |
| 現在の状況 | 物理的には自走可能か(申請待ちで走れないだけか)、積載物の有無 | 牽引や積載などの移送方法を判断するため |
| 移動目的 | 特車申請の許可待ち、納品先や現場への移動など | 搬送時の確認範囲を業者と共有するため |
| 出発地・到着地 | 積込場所、降ろし場所、レッカー車の作業スペース | 搬送ルートや積み込みの可否を確認するため |
| 希望日時 | いつまでに動かす必要があるか | 申請待ちと搬送手配のどちらが現実的か判断するため |
| 支払い条件 | 初回取引時の前受金の有無と請求書払い・月締め契約の可否 | 法人手配をスムーズに進めるため |
文字だけだと状況が伝わりにくいときは、現場や積載状態などが分かる写真も送付しましょう。
すぐに車両を動かす必要がある場合は電話から、見積もりや法人手配を希望する場合はお問い合わせフォームからの相談が適しています。
特車申請が運行日までに間に合わないときのよくある質問
特車申請が運行日までに間に合わないときのよくある質問にお答えします。
質問1.特車申請にはどれくらいかかりますか?
特車申請の内容が新規・変更の場合は3週間以内、更新(同一の車両・経路・積載貨物で期間を延長する場合)の場合は2週間以内が目安です。
質問2.特車申請中に通行するとどうなりますか?
必要な許可や回答書がないまま通行すると、無許可通行や条件違反、回答書不携帯等として100万円以下の罰金などの対象となります。
有効な既存の許可証・回答書と今回の運行条件が一致する場合を除き、申請中の書類だけでは公道を通行できません。
質問3.確認制度を使えば運行日に間に合いますか?
車両登録や経路などの条件に合う場合は、確認制度によって回答書が発行され、運行日に間に合う可能性があります。
まとめ:特車申請が間に合わない場合でも車両を安全に動かせる
特車申請が運行日までに間に合わないときの対処法を再度まとめると、以下の4択です。
- 特殊車両通行確認制度を使えるか確認する
- 日程を調整して許可・確認後に動かす
- 申請条件を見直せるか確認する
- 自走を避けて搬送・回送へ切り替える
運行日まで余裕がない場合や、車両が物理的に走行できない場合は、早めに搬送・回送を依頼しましょう。
業者へ相談するときは、車両情報や発着地、希望日時などを整理しておくと、搬送可否の確認や見積もりがスムーズに進みやすくなります。
24ROADは、事故や故障で車両を動かせない状況だけでなく、法令上の問題で公道を走行できないケースにも対応しています。
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